腐った妄想の吐きだし口。
現在は聖闘士星矢の蠍座のミロのハマっております。
2015/06/14 (Sun)01:44
巡業という名目で聖域を出た俺は、故郷ミロス島にある孤児院に住み込み職員として身を寄せている。ここの子供たちは、みな辛い境遇にもかかわらず元気いっぱいだ。
毎日元気にはしゃぎまわる子供たちを見ていると、こちらも元気が湧いてくる。
お腹の子供はすくすくと順調に育っている。一昨日で7ヶ月目に突入した。
約3か月後には、この手に可愛い我が子を抱くことができる。その日が待ち遠しい。
「早く出てこい。母さんが二人分愛してあげるから、心配することは何もないぞ」
寝る前、毎晩ベッドの中でお腹を撫でながら話しかける。そうすると、安心したように胎児が腹を蹴るのだ。それがたまらなく愛おしい。
大丈夫。何があっても、母さんが守るから。元気に生まれておいで。
昼食を済ませた後、子供たちに昼寝をさせるために絵本を読むのが俺の日課だ。
子供たちをベッドに寝かしつけていると、控えめにノックの音がした。
「ミロさん、お客様が来てるわよ。中庭で待ってらっしゃるわ」
「分かりました。すぐに行きます」
返事をしたものの心当たりがない。カノンは先週来てくれたし、サガは仕事に追われて手一杯だと聞いたし…。
まさか、カミュ。
そろそろ定期報告の時期だ。いやいや、そんなはずはない。
彼が聖域にいるのはせいぜい5日前後。その間に片付けなければならないことがそれなりにある。俺に会いにこんな所まで足を運ぶ暇はないだろう。
そう思いながらも、鼓膜の奥がばくばく五月蠅い。
掌がじっとりと汗ばむ。
ドキドキしながら、中庭へと続く扉に手を掛けた。
ぎぃっと鈍い音を立てて、扉が開く。
「ミロ」
驚きのあまり、声を失った。そこには、今一番顔を会せたくない人物が立っていた。
「元気そう、だな。突然すまない。その…」
カミュの視線が、腹に注がれる。
自分でもわかるほど引き攣った笑みを浮かべると、カミュに歩み寄った。
「そっちこそ、元気そうだなカミュ。シベリアの弟子たちは元気か?アイザックと氷河だっけ?もう技の一つも出せるようになったか?そうだよな、修行を始めてもう3年目も経つしな。えぇっと、教皇にはもう定期報告はすんだのか?済ませてから着たに決まってるか。うぅんと「ミロ!」」
カミュが悲痛な面持ちでこちらを見つめる。
何か言わなきゃ。
緊張して口が渇く。唇を舌で舐め潤すがこの場を切り抜ける言葉が見つからない。
「どうして、言ってくれなかった?私には父親になる資格がないと思ったのか…」
「え、あぁ…えぇっと…勘違いしないでくれ。これはカミュとは関係ない。俺がちょっとへまして…」
「関係ないはずがないだろう!!その子はあの時の子だろう。ミロは、私が父親では不服か?だから何も言ってくれなかったのか?」
「違うって言ってるじゃないか!!帰ってくれ!!シベリアに帰って、2度と俺の前に現れないでくれ!!!」
言ってしまった。
取り返しのつかない言葉が口から出てしまった。
カミュの顔色が目に見えて変わっていく。
「…それがお前の本心でも、私はお前を愛している。せめて、子が産まれるまで傍に居させてくれないか…」
『愛してる』あの時も、彼はそういった。
一夜明けて、ベッドの中で裸のまま愛してると。
その言葉に心躍ったのは事実。でも、その言葉は仮初。
ベッドを出るまでは恋人のふり。そのルールに従っただけ。
そして、今言ってくれた『愛してる』は子供が出来たことへの責任の言葉。
間違えたらダメだ。そう自分に言い聞かせる。
「…産まれてきた子供が、ちっともカミュに似ていなかったら?そしたら諦めてくれる?」
「ミロの子供なら、すべて私の子供だ。ミロが私以外の子供を産むはずがない」
「何その自信?俺の何を知ってるの?カミュがシベリアにいる間に、他の男と遊んでるかもしれないぜ?」
「ミロは、簡単に体を差し出す女じゃない。それくらいは、分かるさ。親友…いや」
カミュは言葉を切ると、大きく深呼吸した。じっと俺の目を見つめ、ゆっくりと口を開く。
「私が愛してる女性だから」
「止めてくれ、カミュ!!責任と同情の結婚なんて真っ平ごめんだ。そんな惨めな思いをするくらいなら、一人でこの子を育ててみせる!だから、放っておいてくれ」
踵を返し、カミュに背を向けた。
これ以上、ここに居たらきっと泣いてしまう。それだけは絶対に嫌だ。
いそいで中庭を去ろうと足を踏み出すより一歩早く、カミュの腕が俺を掴んだ。
後から抱きしめられる形となり、慌ててその檻から抜け出そうと体をよじる。
「放せよ、放せ!」
「聞いてくれ、ミロ。お前が、簡単に体を許したりはしないように、私も好きでもない女とベッドを共にしたりはしない。順番が逆になってしまったが、信じてほしい。私はミロを心から愛している」
カミュの腕に力がこもる。よく見ると小刻みに震えていた。
「手紙になど頼らず、初めから直接お前に伝えればよかったんだ。そうすれば変なすれ違いは起きなかった。待たせてしまって、すまない。この命尽きる時が来るまで、傍にいてくれないか?」
胸がいっぱいになると言葉が詰まって出てこなくなるって本当だ。
嬉しくて、心臓が壊れそうなほど高鳴っていて。
でも、言葉が喉につかえて出てこないから、仕方なくコクコクと頷いた。
涙でぐちゃぐちゃになった、不細工な顔で。
「ありがとう、ミロ。愛しい人」
カミュは今まで見たこともないくらいニッコリとほほ笑むと、俺のかさついた唇に唇を重ねた。フランス人らしい情熱的なキスの嵐にカミュの意外な一面を見た。
END
肝心のベッドIN前の会話を適当に飛ばしたせいで、ミロが勘違いした経緯とかうまく纏められず(>_<)
後で加筆修正してシブの方に上げようと思います。
後は、赤ちゃん誕生後の後日談を少々考えていますので、もう少しおつきあいください。
毎日元気にはしゃぎまわる子供たちを見ていると、こちらも元気が湧いてくる。
お腹の子供はすくすくと順調に育っている。一昨日で7ヶ月目に突入した。
約3か月後には、この手に可愛い我が子を抱くことができる。その日が待ち遠しい。
「早く出てこい。母さんが二人分愛してあげるから、心配することは何もないぞ」
寝る前、毎晩ベッドの中でお腹を撫でながら話しかける。そうすると、安心したように胎児が腹を蹴るのだ。それがたまらなく愛おしい。
大丈夫。何があっても、母さんが守るから。元気に生まれておいで。
昼食を済ませた後、子供たちに昼寝をさせるために絵本を読むのが俺の日課だ。
子供たちをベッドに寝かしつけていると、控えめにノックの音がした。
「ミロさん、お客様が来てるわよ。中庭で待ってらっしゃるわ」
「分かりました。すぐに行きます」
返事をしたものの心当たりがない。カノンは先週来てくれたし、サガは仕事に追われて手一杯だと聞いたし…。
まさか、カミュ。
そろそろ定期報告の時期だ。いやいや、そんなはずはない。
彼が聖域にいるのはせいぜい5日前後。その間に片付けなければならないことがそれなりにある。俺に会いにこんな所まで足を運ぶ暇はないだろう。
そう思いながらも、鼓膜の奥がばくばく五月蠅い。
掌がじっとりと汗ばむ。
ドキドキしながら、中庭へと続く扉に手を掛けた。
ぎぃっと鈍い音を立てて、扉が開く。
「ミロ」
驚きのあまり、声を失った。そこには、今一番顔を会せたくない人物が立っていた。
「元気そう、だな。突然すまない。その…」
カミュの視線が、腹に注がれる。
自分でもわかるほど引き攣った笑みを浮かべると、カミュに歩み寄った。
「そっちこそ、元気そうだなカミュ。シベリアの弟子たちは元気か?アイザックと氷河だっけ?もう技の一つも出せるようになったか?そうだよな、修行を始めてもう3年目も経つしな。えぇっと、教皇にはもう定期報告はすんだのか?済ませてから着たに決まってるか。うぅんと「ミロ!」」
カミュが悲痛な面持ちでこちらを見つめる。
何か言わなきゃ。
緊張して口が渇く。唇を舌で舐め潤すがこの場を切り抜ける言葉が見つからない。
「どうして、言ってくれなかった?私には父親になる資格がないと思ったのか…」
「え、あぁ…えぇっと…勘違いしないでくれ。これはカミュとは関係ない。俺がちょっとへまして…」
「関係ないはずがないだろう!!その子はあの時の子だろう。ミロは、私が父親では不服か?だから何も言ってくれなかったのか?」
「違うって言ってるじゃないか!!帰ってくれ!!シベリアに帰って、2度と俺の前に現れないでくれ!!!」
言ってしまった。
取り返しのつかない言葉が口から出てしまった。
カミュの顔色が目に見えて変わっていく。
「…それがお前の本心でも、私はお前を愛している。せめて、子が産まれるまで傍に居させてくれないか…」
『愛してる』あの時も、彼はそういった。
一夜明けて、ベッドの中で裸のまま愛してると。
その言葉に心躍ったのは事実。でも、その言葉は仮初。
ベッドを出るまでは恋人のふり。そのルールに従っただけ。
そして、今言ってくれた『愛してる』は子供が出来たことへの責任の言葉。
間違えたらダメだ。そう自分に言い聞かせる。
「…産まれてきた子供が、ちっともカミュに似ていなかったら?そしたら諦めてくれる?」
「ミロの子供なら、すべて私の子供だ。ミロが私以外の子供を産むはずがない」
「何その自信?俺の何を知ってるの?カミュがシベリアにいる間に、他の男と遊んでるかもしれないぜ?」
「ミロは、簡単に体を差し出す女じゃない。それくらいは、分かるさ。親友…いや」
カミュは言葉を切ると、大きく深呼吸した。じっと俺の目を見つめ、ゆっくりと口を開く。
「私が愛してる女性だから」
「止めてくれ、カミュ!!責任と同情の結婚なんて真っ平ごめんだ。そんな惨めな思いをするくらいなら、一人でこの子を育ててみせる!だから、放っておいてくれ」
踵を返し、カミュに背を向けた。
これ以上、ここに居たらきっと泣いてしまう。それだけは絶対に嫌だ。
いそいで中庭を去ろうと足を踏み出すより一歩早く、カミュの腕が俺を掴んだ。
後から抱きしめられる形となり、慌ててその檻から抜け出そうと体をよじる。
「放せよ、放せ!」
「聞いてくれ、ミロ。お前が、簡単に体を許したりはしないように、私も好きでもない女とベッドを共にしたりはしない。順番が逆になってしまったが、信じてほしい。私はミロを心から愛している」
カミュの腕に力がこもる。よく見ると小刻みに震えていた。
「手紙になど頼らず、初めから直接お前に伝えればよかったんだ。そうすれば変なすれ違いは起きなかった。待たせてしまって、すまない。この命尽きる時が来るまで、傍にいてくれないか?」
胸がいっぱいになると言葉が詰まって出てこなくなるって本当だ。
嬉しくて、心臓が壊れそうなほど高鳴っていて。
でも、言葉が喉につかえて出てこないから、仕方なくコクコクと頷いた。
涙でぐちゃぐちゃになった、不細工な顔で。
「ありがとう、ミロ。愛しい人」
カミュは今まで見たこともないくらいニッコリとほほ笑むと、俺のかさついた唇に唇を重ねた。フランス人らしい情熱的なキスの嵐にカミュの意外な一面を見た。
END
肝心のベッドIN前の会話を適当に飛ばしたせいで、ミロが勘違いした経緯とかうまく纏められず(>_<)
後で加筆修正してシブの方に上げようと思います。
後は、赤ちゃん誕生後の後日談を少々考えていますので、もう少しおつきあいください。
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Comment
ありがとうございます(^^)
カミュミロさん結ばれましたね(^^)
ミロさんの心にも無い突っぱねてしまう言葉にもめげずに男らしさを貫きましたね(^^)カミュさんよくやったぞ!(^^)
ラストがカミュさんがどれだけミロさんを愛して来たか、愛しているかを全て物語ってますよねぇ(^^)
後日談が楽しみです(^^)
素敵なお話ありがとうございます(^^)
春乃様は蠍座の女なのですね(^-^)蠍座の女って響き良いわぁ(^^)
十二星座では入って無いですがへび使い座は蠍座のお隣ですもんね(^^)
頼りになるお隣の人・シャイナさん。アルソックの吉田さんみたいじゃないですか(笑)
私は蠍座の逆隣のご隠居さんです(笑)
しかし、十三星座と言いますか、NDで言ってる様に天蠍宮と人馬宮の間に昔は蛇夫宮が本当に有ったなら、十二宮編の時「天蠍宮から次の宮迄くそ長ぇ~(-""-;)」って青銅さん拉ならなかったのかしら?(^^;
それとも、この三宮は異様に隣接してたのかしら?
何にしても、早く御大にNDの続き描いて頂きたいです(>_<)
冗談はさて置き、盗難が有った事は告げておく方が良いかも知れないですね。
犯人への牽制にもなりますし、他の方が被害にあわれる事も無くなるでしょうし。
ついつい自衛する事を忘れがちになりますものね。私もこれを期に色々なついつい忘れがちになりそうな自衛策を心掛けようと思います。
ミロさんの心にも無い突っぱねてしまう言葉にもめげずに男らしさを貫きましたね(^^)カミュさんよくやったぞ!(^^)
ラストがカミュさんがどれだけミロさんを愛して来たか、愛しているかを全て物語ってますよねぇ(^^)
後日談が楽しみです(^^)
素敵なお話ありがとうございます(^^)
春乃様は蠍座の女なのですね(^-^)蠍座の女って響き良いわぁ(^^)
十二星座では入って無いですがへび使い座は蠍座のお隣ですもんね(^^)
頼りになるお隣の人・シャイナさん。アルソックの吉田さんみたいじゃないですか(笑)
私は蠍座の逆隣のご隠居さんです(笑)
しかし、十三星座と言いますか、NDで言ってる様に天蠍宮と人馬宮の間に昔は蛇夫宮が本当に有ったなら、十二宮編の時「天蠍宮から次の宮迄くそ長ぇ~(-""-;)」って青銅さん拉ならなかったのかしら?(^^;
それとも、この三宮は異様に隣接してたのかしら?
何にしても、早く御大にNDの続き描いて頂きたいです(>_<)
冗談はさて置き、盗難が有った事は告げておく方が良いかも知れないですね。
犯人への牽制にもなりますし、他の方が被害にあわれる事も無くなるでしょうし。
ついつい自衛する事を忘れがちになりますものね。私もこれを期に色々なついつい忘れがちになりそうな自衛策を心掛けようと思います。
Re:ありがとうございます(^^)
何とか無事に納まるところに納まりました(*´ω`*)
今後日談を書いてます。サガさんメインで頑張るつもりですが、どうかな?
尾羽っSUN様は天秤座ですか。お隣同士ですね。改めてよろしくお願いします(笑)
シャイナさん、アルゾックの吉田さんってWWW確かに命がけで守ってくれますよね。
よく星矢の縦になってくれたり、ピンチには駆けつけてくれたりしてますもんね。
ND実はウィキペディアの知識しかないです。蠍座と水瓶座が登場してから集めるかどうか考えようかと思ってます('ω')ノ
もしも蛇夫宮がテントみたいなのだったらどうします(笑)テントは冗談でもプレハブ(ry)くらいだったら…。真面目に考えるなら、過去の聖戦で崩れたさいにとっぱらっちゃったんですかね?だから12宮編の時には石段は当分されてたとか。異様に隣接してた場合、隣の宮が壊れたときのとばっちりが半端ないことになりそうですね(=_=)
しかし、現蛇遣い座のシャイナさんは牡羊座なのはどうするんですかね?
財布の件はご心配をおかけしました。取りあえず、センターの方に報告したところ、あちらではどうすることもできないので、警察に届けるならば協力してくれるとの事です。二次被害が起きないように、注意とか呼びかけとかしてくれるのかと思いきや、そういうのも無いみたいです。まぁ、お母さま方の間で犯人捜しみたいなことになると、いろいろ難しいこともあるので仕方ないのかもしれませんが。
今後日談を書いてます。サガさんメインで頑張るつもりですが、どうかな?
尾羽っSUN様は天秤座ですか。お隣同士ですね。改めてよろしくお願いします(笑)
シャイナさん、アルゾックの吉田さんってWWW確かに命がけで守ってくれますよね。
よく星矢の縦になってくれたり、ピンチには駆けつけてくれたりしてますもんね。
ND実はウィキペディアの知識しかないです。蠍座と水瓶座が登場してから集めるかどうか考えようかと思ってます('ω')ノ
もしも蛇夫宮がテントみたいなのだったらどうします(笑)テントは冗談でもプレハブ(ry)くらいだったら…。真面目に考えるなら、過去の聖戦で崩れたさいにとっぱらっちゃったんですかね?だから12宮編の時には石段は当分されてたとか。異様に隣接してた場合、隣の宮が壊れたときのとばっちりが半端ないことになりそうですね(=_=)
しかし、現蛇遣い座のシャイナさんは牡羊座なのはどうするんですかね?
財布の件はご心配をおかけしました。取りあえず、センターの方に報告したところ、あちらではどうすることもできないので、警察に届けるならば協力してくれるとの事です。二次被害が起きないように、注意とか呼びかけとかしてくれるのかと思いきや、そういうのも無いみたいです。まぁ、お母さま方の間で犯人捜しみたいなことになると、いろいろ難しいこともあるので仕方ないのかもしれませんが。