腐った妄想の吐きだし口。
現在は聖闘士星矢の蠍座のミロのハマっております。
2015/06/20 (Sat)01:31
ベビーベッドの中の息子を見つめながら、カミュは己の口の端が自然と上がるのを止められなかった。
「随分と嬉しそうだな、カミュ」
「あの日のことを思い出していたのだ。ミロにプロポーズした日のことを」
「え?」
「ミロは、産まれた子供が私に似ていなかったら、諦めて去れと言ったな」
「そうだな。そんなことも言ったけ。今にして思えば笑い話もいいところだな」
涼やかな目元。
ピジョンブラッドの瞳。
頑固そうな唇。
極めつけは二股に分かれた眉。
髪の色がやや黄味が強いことを除けば、カミュの生き写しと言っていいほどだ。
産んだミロ自身、この子には本当に自分の遺伝子が入っているのかと首を傾げたくなったくらいである。
これでは、カミュをシベリアに追い返すどころか、傍にいることを後押しする形になっただろう。
「毎日カミュのことばかり考えてたせいかな」
「それはそれは。嬉しいことを言ってくれるな」
微笑みあうと、どちらからともなく唇を寄せた時だった。
病室のドアがコンコンと鳴った。
カミュはチッと舌打ちをすると、素早くミロの唇に口づけてから立ち上がった。
「はい」と短い返事をしてドアを開けたる。
と、ほぼ同時に空間が歪み「アナザーディメンション」の掛け声でカミュが姿を消す。
「カミュ!!」
「ミロ、お疲れ様。体は辛くないかい?」
唖然としているミロに、聖者の微笑みを浮かべ部屋に入ってきたのはサガだ。その後ろにばつが悪そうなカノンが続く。
「サガ!」
ミロが咎めるが、本人はどこ吹く風だ。
あの日。カミュはミロにプロポーズをすると、アテナの元に行き全てを告白した。そして、サガに「ミロを私に下さい」と頭を下げた。
サガの返事はたった一言「アナザーディメンション」で、砂漠に飛ばされたらしい。流石のカミュも危うく死にかけたとか。(後でカノンがこっそり教えてくれた。)
それ以来、サガはカミュの姿を見るとアナザーディメンションで異空間へと飛ばしてしまう。
最近は比較的近場に飛ばされるようなので、その辺は怒りが解けてきた証拠というべきだろうか。
「初めまして。私がサガおじさんですよ」
赤ん坊に呼びかけると、「あぁー」と小さな声で返事が聞こえた。
「よかったら抱いてやってくれ」
ミロは、ベッドから赤ん坊を抱き上げるとサガに差し出す。
「私が抱いても大丈夫だろうか」
口とは裏腹に、抱きたくてうずうずしていたのが丸わかりで、二人はこっそりと口の端を吊り上げた。
「サガが抱くと、より一層小さく見えるな。潰すなよ」
「そんなことするはずがあるまい。阿呆が!」
赤ん坊は大人しくサガの腕の中に納まっている。時折顔を擦ったりしながら。
それを見守る双子は顔は目じりが下がりっぱなしだ。
まさに、初孫を喜ぶジジそのものだ。
「しかし、こいつが産まれる前にサガに真実を打ち明けておいてよかったな」
やわやわのほっぺを突きながらカノンが言った。
もしも、産まれるまで父親のことを秘密にしておいたならば。
サガはカミュの姿を見るたびに星を砕いていたに違いない。
苦笑いを浮かべ、「本当、これじゃ隠しようがない」と素直に頷く。
すると、サガは納得がいかないと眉根を寄せた。
「何を言う、ミロそっくりじゃないか」
「ついに目まで悪くなったか。どう贔屓目に見ても父親似だろう」
「そんなことはない。顎の輪郭、耳の形。そしてこの手」
サガは自分の掌に赤ん坊の手を乗せるとずいと2人の前に突き出した。
「指が長い割に節が太いがっちりした手だ。この手はミロだろう」
自信満々に言い切られ、ミロは小さな手の脇に自分の手を並べてみた。
「本当だ」と呟くと、くすぐったそうにミロが微笑んだ。
おまけのおまけ
『おーい、蠍座。またお前の元カレがうちの庭に落ちているんだが。いい加減お前の父親に、不法投棄は止めろと言ってくれ!』
『申しわけない、スルト。迎えに行きたいのはやまやまなんだが、帝王切開の傷にさわるんで、面倒みてやってくれ。後でハムでも贈るから』
「随分と嬉しそうだな、カミュ」
「あの日のことを思い出していたのだ。ミロにプロポーズした日のことを」
「え?」
「ミロは、産まれた子供が私に似ていなかったら、諦めて去れと言ったな」
「そうだな。そんなことも言ったけ。今にして思えば笑い話もいいところだな」
涼やかな目元。
ピジョンブラッドの瞳。
頑固そうな唇。
極めつけは二股に分かれた眉。
髪の色がやや黄味が強いことを除けば、カミュの生き写しと言っていいほどだ。
産んだミロ自身、この子には本当に自分の遺伝子が入っているのかと首を傾げたくなったくらいである。
これでは、カミュをシベリアに追い返すどころか、傍にいることを後押しする形になっただろう。
「毎日カミュのことばかり考えてたせいかな」
「それはそれは。嬉しいことを言ってくれるな」
微笑みあうと、どちらからともなく唇を寄せた時だった。
病室のドアがコンコンと鳴った。
カミュはチッと舌打ちをすると、素早くミロの唇に口づけてから立ち上がった。
「はい」と短い返事をしてドアを開けたる。
と、ほぼ同時に空間が歪み「アナザーディメンション」の掛け声でカミュが姿を消す。
「カミュ!!」
「ミロ、お疲れ様。体は辛くないかい?」
唖然としているミロに、聖者の微笑みを浮かべ部屋に入ってきたのはサガだ。その後ろにばつが悪そうなカノンが続く。
「サガ!」
ミロが咎めるが、本人はどこ吹く風だ。
あの日。カミュはミロにプロポーズをすると、アテナの元に行き全てを告白した。そして、サガに「ミロを私に下さい」と頭を下げた。
サガの返事はたった一言「アナザーディメンション」で、砂漠に飛ばされたらしい。流石のカミュも危うく死にかけたとか。(後でカノンがこっそり教えてくれた。)
それ以来、サガはカミュの姿を見るとアナザーディメンションで異空間へと飛ばしてしまう。
最近は比較的近場に飛ばされるようなので、その辺は怒りが解けてきた証拠というべきだろうか。
「初めまして。私がサガおじさんですよ」
赤ん坊に呼びかけると、「あぁー」と小さな声で返事が聞こえた。
「よかったら抱いてやってくれ」
ミロは、ベッドから赤ん坊を抱き上げるとサガに差し出す。
「私が抱いても大丈夫だろうか」
口とは裏腹に、抱きたくてうずうずしていたのが丸わかりで、二人はこっそりと口の端を吊り上げた。
「サガが抱くと、より一層小さく見えるな。潰すなよ」
「そんなことするはずがあるまい。阿呆が!」
赤ん坊は大人しくサガの腕の中に納まっている。時折顔を擦ったりしながら。
それを見守る双子は顔は目じりが下がりっぱなしだ。
まさに、初孫を喜ぶジジそのものだ。
「しかし、こいつが産まれる前にサガに真実を打ち明けておいてよかったな」
やわやわのほっぺを突きながらカノンが言った。
もしも、産まれるまで父親のことを秘密にしておいたならば。
サガはカミュの姿を見るたびに星を砕いていたに違いない。
苦笑いを浮かべ、「本当、これじゃ隠しようがない」と素直に頷く。
すると、サガは納得がいかないと眉根を寄せた。
「何を言う、ミロそっくりじゃないか」
「ついに目まで悪くなったか。どう贔屓目に見ても父親似だろう」
「そんなことはない。顎の輪郭、耳の形。そしてこの手」
サガは自分の掌に赤ん坊の手を乗せるとずいと2人の前に突き出した。
「指が長い割に節が太いがっちりした手だ。この手はミロだろう」
自信満々に言い切られ、ミロは小さな手の脇に自分の手を並べてみた。
「本当だ」と呟くと、くすぐったそうにミロが微笑んだ。
おまけのおまけ
『おーい、蠍座。またお前の元カレがうちの庭に落ちているんだが。いい加減お前の父親に、不法投棄は止めろと言ってくれ!』
『申しわけない、スルト。迎えに行きたいのはやまやまなんだが、帝王切開の傷にさわるんで、面倒みてやってくれ。後でハムでも贈るから』
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Comment
ちゃんちゃん♪
サガお父さんがひたすらわらかしてくれましたwww
いやー、この双子、いいわ~(*´∀`*)
カミュが砂漠で死に掛けるとか(笑)
本編でカミュが女々しかったとか春乃サマが書かれておりましたが、私は読んでて女々しくは感じませんでしたよ?
丸く収まってよかったです♪
萌を沢山いただいたので、私も頑張ろうっとヽ(*´∀`)ノ キャッホーイ!!
ラストのまさかのスルト登場でしかもハム送るからで噴いたwww
なんか仲良しだよ、この人たち(爆笑)
いやー、この双子、いいわ~(*´∀`*)
カミュが砂漠で死に掛けるとか(笑)
本編でカミュが女々しかったとか春乃サマが書かれておりましたが、私は読んでて女々しくは感じませんでしたよ?
丸く収まってよかったです♪
萌を沢山いただいたので、私も頑張ろうっとヽ(*´∀`)ノ キャッホーイ!!
ラストのまさかのスルト登場でしかもハム送るからで噴いたwww
なんか仲良しだよ、この人たち(爆笑)
Re:ちゃんちゃん♪
感想ありがとうございます。
調子に乗って、長々と書いてしまいました。双子はこれ位暴走している方がいいかと(笑)
カミュ、大丈夫でしたか?話の都合上、カッコいいカミュが居なくなってしまったと焦っていたんですが(おまけも散々なカミュしかいませんが)安心しました(^◇^)
ヒゲ様のブログにはちょくちょくお邪魔してます|д゚)氷ミロの連載続きが楽しみです♪
調子に乗って、長々と書いてしまいました。双子はこれ位暴走している方がいいかと(笑)
カミュ、大丈夫でしたか?話の都合上、カッコいいカミュが居なくなってしまったと焦っていたんですが(おまけも散々なカミュしかいませんが)安心しました(^◇^)
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