腐った妄想の吐きだし口。
現在は聖闘士星矢の蠍座のミロのハマっております。
2015/06/26 (Fri)13:01
今日の夕食は双子宮に招かれた。
普段は、白銀たちが住んでいる住宅地のはずれにある小さな平屋を住みかとしているが、時々兄の兄弟ごっこに付き合わされる。
穏やかな談笑、なんて俺たちの間にあるわけはないので、大抵は俺の生活態度に対するサガの愚痴だ。本人は説教のつもりらしいが、聞く気はない。ほんの数分先に生まれただけの奴に兄貴面されるなんて迷惑だ。
「しかし、ミロがお前に懐くとはな」
サラダを突きながら、サガは意外だと目を丸くした。
「好きで懐かれてるんじゃない。いい迷惑だ」
煮込み料理を口に運びながら、今日もまたミロに穏やかな一時を邪魔されたことを思い出す。
なれとは恐ろしいもので、あんなに邪険に思っていたのに、最近はそんなに気にならなくなった。
それどころか、自分の名前まで教えてしまうとは…林檎で懐柔されたか。
時々、ミロは持参した林檎を半分よこす。そして、決まって自分は少し齧ると大事そうにハンカチで包んでカバンにしまうのだ。よほど林檎が好きに違いない。
あれ?でもあいつ、林檎をつまみ食いしてる割に全然太らないな。
相変わらず、ミロの体は出会った当初と同じ鶏がらだ。聖域の食事は、聖闘士の為に栄養のバランスに気を配っているのに。
「なぁ、あいつなんであんなに痩せっぽちなんだ?」
サガは途端に顔を曇らせ、芝居がかった動きでフォークを置いた。
「あの子は、可哀そうな子でね」
出た、サガの”可哀そうな子でね”。
お前、その台詞を吐くとき、自分がどんな顔してるか知らないだろ。
「物凄く複雑な家庭環境で育ったらしくて、碌に食べ物も与えられずひもじい思いをしていたようだ。そのせいか、食事を用意しても全く食べようとしないのだよ。あまりにも食べないので、侍女が心配して、いつでも食べられるようにと林檎を与えたらしいんだが。それをね、ちょっとずつ齧りながら2日もかけて食べるそうだ。信じられるか?たった一つの林檎を、それも変色して、しなびた林檎だけで2日も凌ぐなんて」
「2日!」
その林檎の半分は俺の腹に入ってるわけだから、実質林檎半分で2日過ごしてることになる。
罪悪感が半端ない。
あ゛~とかう゛~とか唸りながら頭を抱えていると、サガが更なる爆弾をぶっこんできた。
「まだ4歳だというのに、食が細いにも程がある」
「4歳だと!!」
最近、女聖闘士の訓練所ーうちーに来た候補生と同じ年!?
あの子の方がミロよりも一回り半くらい大きい。どんだけ、成長遅れてるんだ!?
「そんなやつ無理して育てなくても、もっと他に手頃なのがいるんじゃないのか?」
「まぁ、そうなんだが。教皇が言うには、彼には星の導きがあるらしい。すぐに黄金になれずとも、青銅から成り上がる可能性も秘めていると」
「いやいや、あの細腕で戦士は酷だって。元の場所に…」
自分の言葉にハッとした。サガも神妙な顔で頷いている。
元の場所に帰すという事は、食事も満足に与えられない劣悪な環境に彼を帰すという事だ。
そんなところに帰れば、近い未来ミロは死ぬことになるだろう。
「何とかならんのか?」
「何とかしてやりたいが、最近は行政からの助成金も減って、どこの施設も経営が厳しい。聖域が施設に預けたとしても、後でこっそり親元に帰されることもありうるだろうな」
食べかけのサラダを見つめながら、サガは重苦しいため息を吐いた。
普段は、白銀たちが住んでいる住宅地のはずれにある小さな平屋を住みかとしているが、時々兄の兄弟ごっこに付き合わされる。
穏やかな談笑、なんて俺たちの間にあるわけはないので、大抵は俺の生活態度に対するサガの愚痴だ。本人は説教のつもりらしいが、聞く気はない。ほんの数分先に生まれただけの奴に兄貴面されるなんて迷惑だ。
「しかし、ミロがお前に懐くとはな」
サラダを突きながら、サガは意外だと目を丸くした。
「好きで懐かれてるんじゃない。いい迷惑だ」
煮込み料理を口に運びながら、今日もまたミロに穏やかな一時を邪魔されたことを思い出す。
なれとは恐ろしいもので、あんなに邪険に思っていたのに、最近はそんなに気にならなくなった。
それどころか、自分の名前まで教えてしまうとは…林檎で懐柔されたか。
時々、ミロは持参した林檎を半分よこす。そして、決まって自分は少し齧ると大事そうにハンカチで包んでカバンにしまうのだ。よほど林檎が好きに違いない。
あれ?でもあいつ、林檎をつまみ食いしてる割に全然太らないな。
相変わらず、ミロの体は出会った当初と同じ鶏がらだ。聖域の食事は、聖闘士の為に栄養のバランスに気を配っているのに。
「なぁ、あいつなんであんなに痩せっぽちなんだ?」
サガは途端に顔を曇らせ、芝居がかった動きでフォークを置いた。
「あの子は、可哀そうな子でね」
出た、サガの”可哀そうな子でね”。
お前、その台詞を吐くとき、自分がどんな顔してるか知らないだろ。
「物凄く複雑な家庭環境で育ったらしくて、碌に食べ物も与えられずひもじい思いをしていたようだ。そのせいか、食事を用意しても全く食べようとしないのだよ。あまりにも食べないので、侍女が心配して、いつでも食べられるようにと林檎を与えたらしいんだが。それをね、ちょっとずつ齧りながら2日もかけて食べるそうだ。信じられるか?たった一つの林檎を、それも変色して、しなびた林檎だけで2日も凌ぐなんて」
「2日!」
その林檎の半分は俺の腹に入ってるわけだから、実質林檎半分で2日過ごしてることになる。
罪悪感が半端ない。
あ゛~とかう゛~とか唸りながら頭を抱えていると、サガが更なる爆弾をぶっこんできた。
「まだ4歳だというのに、食が細いにも程がある」
「4歳だと!!」
最近、女聖闘士の訓練所ーうちーに来た候補生と同じ年!?
あの子の方がミロよりも一回り半くらい大きい。どんだけ、成長遅れてるんだ!?
「そんなやつ無理して育てなくても、もっと他に手頃なのがいるんじゃないのか?」
「まぁ、そうなんだが。教皇が言うには、彼には星の導きがあるらしい。すぐに黄金になれずとも、青銅から成り上がる可能性も秘めていると」
「いやいや、あの細腕で戦士は酷だって。元の場所に…」
自分の言葉にハッとした。サガも神妙な顔で頷いている。
元の場所に帰すという事は、食事も満足に与えられない劣悪な環境に彼を帰すという事だ。
そんなところに帰れば、近い未来ミロは死ぬことになるだろう。
「何とかならんのか?」
「何とかしてやりたいが、最近は行政からの助成金も減って、どこの施設も経営が厳しい。聖域が施設に預けたとしても、後でこっそり親元に帰されることもありうるだろうな」
食べかけのサラダを見つめながら、サガは重苦しいため息を吐いた。
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Comment
あれれ?
1-3と4が逆に掲載されてしまってます??
コレ→出た、サガの”可哀そう子でね”。
お前、その台詞を吐くとき、自分がどんな顔してるか知らないだろ。
この部分がものすごーく好きです!!!!
サガの、自分が気づかない上から目線の哀れみみたいなのを見逃さない、双子の弟!
たった2行に春乃サマの鋭い人間観察力が垣間見えたような気がしました。Σ(゚д゚lll)ガーン
コレ→出た、サガの”可哀そう子でね”。
お前、その台詞を吐くとき、自分がどんな顔してるか知らないだろ。
この部分がものすごーく好きです!!!!
サガの、自分が気づかない上から目線の哀れみみたいなのを見逃さない、双子の弟!
たった2行に春乃サマの鋭い人間観察力が垣間見えたような気がしました。Σ(゚д゚lll)ガーン
ありがとうございます
本当だ、3と4が逆になってました。ご指摘ありがとうございますm(__)m
サガは、恵まれた者の余裕みたいなものがあるので、悪気なく人を傷つけるんじゃないかと。
気が付かない人は気が付かないけど、気が付く人にとっては物凄く感じ悪い。
カノンは立場的に対象にされやすいので、物凄く癇に障る。
みたいなのを書けたらと思ったんですけど、うまく伝わったみたいで嬉しいです(*ノωノ)
サガは、恵まれた者の余裕みたいなものがあるので、悪気なく人を傷つけるんじゃないかと。
気が付かない人は気が付かないけど、気が付く人にとっては物凄く感じ悪い。
カノンは立場的に対象にされやすいので、物凄く癇に障る。
みたいなのを書けたらと思ったんですけど、うまく伝わったみたいで嬉しいです(*ノωノ)
サガ!!
鶏ガラミロさんに懐柔されていくカノンさんとか、ミロさんが鶏ガラな理由とか、食い付きたい所やカノンさんにペロリいかれるミロさんはまだか~ワクワク
がいっぱいなんですけど、サガさんに全部持って行かれました(^o^;)
「芝居がかった動き」と「出た、…………」が、完全にサガっぽくて、滅茶苦茶ツボに入ってしまいました(^o^;)
流石偽教皇偽善者サガ!!(笑)
カノンさんにペロリいかれるミロさんを心待に続き楽しみにしております(^^)
がいっぱいなんですけど、サガさんに全部持って行かれました(^o^;)
「芝居がかった動き」と「出た、…………」が、完全にサガっぽくて、滅茶苦茶ツボに入ってしまいました(^o^;)
流石偽教皇偽善者サガ!!(笑)
カノンさんにペロリいかれるミロさんを心待に続き楽しみにしております(^^)
サガを探そう!
鶏がら君、カノンさん籠絡中でございます。もう、半分以上おちてますけどね(笑)
サガっぽいサガでしたか!嬉しいです(^◇^)
いい人なんですけどね、無意識に上から目線になってしまうサガさん。
サガっぽいサガでしたか!嬉しいです(^◇^)
いい人なんですけどね、無意識に上から目線になってしまうサガさん。