腐った妄想の吐きだし口。
現在は聖闘士星矢の蠍座のミロのハマっております。
2015/08/06 (Thu)16:56
「セイッ」
「踏み込みが甘い!」
ミロが放った渾身の一撃を軽くいなし、その反動を使ってこちらの蹴りを鳩尾へと見舞った。ミロの方も体をひねって回避しようとしたが、一歩及ばず。まともに喰らって潰れたカエルのような悲鳴を上げると、ずるずると地面に崩れ落ちた。
今日の課題は、俺の頭の上に乗せた林檎を落とすこと。ミロは全身を使って攻撃ができるが、俺が使っていいのは右足のみだ。
「ほらほら、反撃を予期してガードを固めないと。痛い目見るわよ」
「ハ、イ」
ミロは何とか呼吸を整えると、立ち上がりもう一度構える。彼と組手を始めて、かれこれ三時間は経過しているはずだ。
ほう、まだやれるか。チビのくせに大したものだ。
一日の訓練をこなした後、これほど動き回れるものは訓練生の中でも一握りだ。
努力家のチビに敬意を表し、こちらも構える。ミロは大きく息を吸うと「ハイ」と声を張り上げ、地面を蹴った。
「うぅぅ。きょうもりんご、とれなかった」
「そう簡単に取らせないよ。こう見えても、私だってサガと同等の実力があるんだからね」
ミロの鍛錬に付き合い始めて早一か月。経過は順調かな。このままいけば、間違いなく白銀クラス。うまくいけば、本当に黄金に手が届くかもしれない。
「ねぇ、おれ、ちょっとはつよくなった?せいちょう、してる?」
「はぁ?ありんこほども強くなってないわよ」
「むぅ!おれ、はやくつよくなって、ごーるどせいんとなりたいのに!」
「あら、随分と野心家になったじゃない」
「やしんか?」
「夢だけはでっかいってこと」
「おぉ!おれ、やしんかなのよ!はやくごーるどせいんとになって、さがのおてつだいするのよ」
「はぁ?」
ミロの口から出てきた名前に、仮面の下で思いっっっっきり渋い顔をする。それに気付く素振りもなく、ミロはキラキラとした目で話をつづけた。
「さがと、たんれんしたり、にんむにでたり、いろいろしたいの!そしたら、かのんうれしいでしょ?」
「お前の脳みそはどうなってるの?なんでミロとサガが仲良しだと私が嬉しいわけ?」
「あいおりあと、おれがなかよしだと、あいおろすはじぶんのことみたいにうれしい!あいおりあは、あいおろすの、だいじなかぞくだから。さがとかのん、きょうだいでしょ?かのんもおれとさがが、なかよし、うれしくないの?」
サガの友人である、爽やかに暑苦しい男の顔が目に浮かぶ。そして、そのミニチュアの弟。
「あー、うん。あそこのベタベタ兄弟だったら、嬉しいんでしょうね。でも私とサガはそんなに仲良くないから」
ミロはさっと表情を曇らせると、「きょうだいなのに?」と呟いた。
兄弟だからだ。
ミロの疑問に胸の内で返事をして、生意気なことを言うミロの唇を、摘まんで引っ張る。ミロは慌て手足をバタつかせた。くぐもったアヒルの鳴き声のような抗議の声が、唇の端から漏れる。
「あらあら、そんなんじゃ聖闘士なんて夢のまた夢ね」
クスクス笑いながら手を放してやると、ミロは唇をなぞりながら「いじわるかのん」とふくれっ面になる。
これでこの話は終わり。
ミロは泉に顔を突っ込むようにして洗うと、ぶるぶると頭を振った。こういう所は犬そっくりだ。俺の顔を見ると嬉しそうに駆け寄ってくるし、カノンカノン五月蠅いし、多少の意地悪にもめげずについてくるし、こいつ意外と犬属性なのかも知れない。
「かのんは、あらわないの?」
「女聖闘士は素顔を見せないの。前もそう言ったでしょ。おバカさん」
「かおにあせかいたら、どうするの?」
「我慢も修行のうち」
「寝るときは?」
「付けて寝る」
「お風呂は?」
「素早く洗って付ける」
「じゃ、ご飯食べるときどうするの?」
「ボッチ飯。もしくは、ちょっとだけずらして、素早く戻す」
適当に答えると、ミロは「おんなのこって、たいへんなのね」と大人ぶって頷いた。
「踏み込みが甘い!」
ミロが放った渾身の一撃を軽くいなし、その反動を使ってこちらの蹴りを鳩尾へと見舞った。ミロの方も体をひねって回避しようとしたが、一歩及ばず。まともに喰らって潰れたカエルのような悲鳴を上げると、ずるずると地面に崩れ落ちた。
今日の課題は、俺の頭の上に乗せた林檎を落とすこと。ミロは全身を使って攻撃ができるが、俺が使っていいのは右足のみだ。
「ほらほら、反撃を予期してガードを固めないと。痛い目見るわよ」
「ハ、イ」
ミロは何とか呼吸を整えると、立ち上がりもう一度構える。彼と組手を始めて、かれこれ三時間は経過しているはずだ。
ほう、まだやれるか。チビのくせに大したものだ。
一日の訓練をこなした後、これほど動き回れるものは訓練生の中でも一握りだ。
努力家のチビに敬意を表し、こちらも構える。ミロは大きく息を吸うと「ハイ」と声を張り上げ、地面を蹴った。
「うぅぅ。きょうもりんご、とれなかった」
「そう簡単に取らせないよ。こう見えても、私だってサガと同等の実力があるんだからね」
ミロの鍛錬に付き合い始めて早一か月。経過は順調かな。このままいけば、間違いなく白銀クラス。うまくいけば、本当に黄金に手が届くかもしれない。
「ねぇ、おれ、ちょっとはつよくなった?せいちょう、してる?」
「はぁ?ありんこほども強くなってないわよ」
「むぅ!おれ、はやくつよくなって、ごーるどせいんとなりたいのに!」
「あら、随分と野心家になったじゃない」
「やしんか?」
「夢だけはでっかいってこと」
「おぉ!おれ、やしんかなのよ!はやくごーるどせいんとになって、さがのおてつだいするのよ」
「はぁ?」
ミロの口から出てきた名前に、仮面の下で思いっっっっきり渋い顔をする。それに気付く素振りもなく、ミロはキラキラとした目で話をつづけた。
「さがと、たんれんしたり、にんむにでたり、いろいろしたいの!そしたら、かのんうれしいでしょ?」
「お前の脳みそはどうなってるの?なんでミロとサガが仲良しだと私が嬉しいわけ?」
「あいおりあと、おれがなかよしだと、あいおろすはじぶんのことみたいにうれしい!あいおりあは、あいおろすの、だいじなかぞくだから。さがとかのん、きょうだいでしょ?かのんもおれとさがが、なかよし、うれしくないの?」
サガの友人である、爽やかに暑苦しい男の顔が目に浮かぶ。そして、そのミニチュアの弟。
「あー、うん。あそこのベタベタ兄弟だったら、嬉しいんでしょうね。でも私とサガはそんなに仲良くないから」
ミロはさっと表情を曇らせると、「きょうだいなのに?」と呟いた。
兄弟だからだ。
ミロの疑問に胸の内で返事をして、生意気なことを言うミロの唇を、摘まんで引っ張る。ミロは慌て手足をバタつかせた。くぐもったアヒルの鳴き声のような抗議の声が、唇の端から漏れる。
「あらあら、そんなんじゃ聖闘士なんて夢のまた夢ね」
クスクス笑いながら手を放してやると、ミロは唇をなぞりながら「いじわるかのん」とふくれっ面になる。
これでこの話は終わり。
ミロは泉に顔を突っ込むようにして洗うと、ぶるぶると頭を振った。こういう所は犬そっくりだ。俺の顔を見ると嬉しそうに駆け寄ってくるし、カノンカノン五月蠅いし、多少の意地悪にもめげずについてくるし、こいつ意外と犬属性なのかも知れない。
「かのんは、あらわないの?」
「女聖闘士は素顔を見せないの。前もそう言ったでしょ。おバカさん」
「かおにあせかいたら、どうするの?」
「我慢も修行のうち」
「寝るときは?」
「付けて寝る」
「お風呂は?」
「素早く洗って付ける」
「じゃ、ご飯食べるときどうするの?」
「ボッチ飯。もしくは、ちょっとだけずらして、素早く戻す」
適当に答えると、ミロは「おんなのこって、たいへんなのね」と大人ぶって頷いた。
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Comment
仔ミロさんがかーわいーいー(≧∇≦)
カノンさんと一緒にいる仔ミロさんが常にまとわりついてじゃれついてる感じでひたすら可愛い(^^)
仔ミロさんはカノンさんが喜ぶ事をしてあげたい一心で、でも、小さい子だからこその素直さがカノンさんに苦い思いをさせるって所が、お互い好きな相手なんだなって(^^)
サガさんにも普段からまとわりついてるのでしょうか?(^^)サガさんにまとわりついく仔ミロさんも可愛い(^^)
ロス兄さんにニコニコされながら見守られる仔リア&ミロさんを想像すると微笑ましいです(*^^*)
そう言えば、女聖闘士さん達は同性にも素顔を見せないんでしょうか?
原作だとシャイナさんしか顔見せないから分からないですね。ジュネさんは魔鈴さん等と絡まないし…。
カノンさんは仮面してても、素顔はサガさん似なんだな、滅茶苦茶美人じゃん!って、回りの男子諸君に思われているんでしょうね。あ、だから、余計女子からサガさん似=絶対美人でやっかまれるんだ。
仔ミロさんがどう育っていくか本当に楽しみです(^^)
仔ミロさんはカノンさんが喜ぶ事をしてあげたい一心で、でも、小さい子だからこその素直さがカノンさんに苦い思いをさせるって所が、お互い好きな相手なんだなって(^^)
サガさんにも普段からまとわりついてるのでしょうか?(^^)サガさんにまとわりついく仔ミロさんも可愛い(^^)
ロス兄さんにニコニコされながら見守られる仔リア&ミロさんを想像すると微笑ましいです(*^^*)
そう言えば、女聖闘士さん達は同性にも素顔を見せないんでしょうか?
原作だとシャイナさんしか顔見せないから分からないですね。ジュネさんは魔鈴さん等と絡まないし…。
カノンさんは仮面してても、素顔はサガさん似なんだな、滅茶苦茶美人じゃん!って、回りの男子諸君に思われているんでしょうね。あ、だから、余計女子からサガさん似=絶対美人でやっかまれるんだ。
仔ミロさんがどう育っていくか本当に楽しみです(^^)
Re:仔ミロさんがかーわいーいー(≧∇≦)
いつも、お返事が遅くてすみません。なかなかパソコンの前に座る時間が取れず、申しわけないです。
この設定では、カノンが最初に出来たお友達なので別格で大好きです。サガのことも、カノン抜きでも大好きですよ。人懐こい仔ミロ可愛いですが、シュラとかデスマスクには人見知りして、リアに「あいつら、怖くないぞ」とか言われてる仔ミロも可愛いかなと思ってます(*´ω`*)カミュは修行地がシベリアなので、出会うのは聖闘士になってからで。ミロも修行地は、ミロス島ですが、最初は聖域だったらいいなぁと思っています。
女聖闘士さんたちの仮面事情は本当に謎ですね。同性には見せてもいいんですかねぇ?じゃないと本当にみんなボッチ飯ですよね(;^ω^)お風呂も一緒に入れませんし。みんな仮面生活で、ごちゃごちゃになったりしないんでしょうか?「私の先生は、右目にラインだったかしら?左目にラインだったかしら?みんな、同じようなレオタードばかりだから区別つかないわ」とかなりそうじゃないですか(´-ω-`)
顔が見えないからこその、美人期待度って上がりますよね。カノンさんもきっとそんな感じで、男性陣から必要以上に美化されてそうです。サガの妹というプレミアもついてますし。それが面白くない女性陣、確かにあり得えますね。
この設定では、カノンが最初に出来たお友達なので別格で大好きです。サガのことも、カノン抜きでも大好きですよ。人懐こい仔ミロ可愛いですが、シュラとかデスマスクには人見知りして、リアに「あいつら、怖くないぞ」とか言われてる仔ミロも可愛いかなと思ってます(*´ω`*)カミュは修行地がシベリアなので、出会うのは聖闘士になってからで。ミロも修行地は、ミロス島ですが、最初は聖域だったらいいなぁと思っています。
女聖闘士さんたちの仮面事情は本当に謎ですね。同性には見せてもいいんですかねぇ?じゃないと本当にみんなボッチ飯ですよね(;^ω^)お風呂も一緒に入れませんし。みんな仮面生活で、ごちゃごちゃになったりしないんでしょうか?「私の先生は、右目にラインだったかしら?左目にラインだったかしら?みんな、同じようなレオタードばかりだから区別つかないわ」とかなりそうじゃないですか(´-ω-`)
顔が見えないからこその、美人期待度って上がりますよね。カノンさんもきっとそんな感じで、男性陣から必要以上に美化されてそうです。サガの妹というプレミアもついてますし。それが面白くない女性陣、確かにあり得えますね。
おんなのこってたいへんなのね。
もーっ!!もーっ!!!もーっ!!!!
かーわーいーいーよーっ!!!!
なんなの、このコ!!!
私もこの犬っころみたいな仔ミロに懐かれたいわ!!(;゚∀゚)=3ハァハァ
カノン子さんはよくキュン死(もう死語?!(笑))せずにいられますな!(笑)
二人のイラストとか描きたくてしょうがないですvV
うはーっvV
かーわーいーいーよーっ!!!!
なんなの、このコ!!!
私もこの犬っころみたいな仔ミロに懐かれたいわ!!(;゚∀゚)=3ハァハァ
カノン子さんはよくキュン死(もう死語?!(笑))せずにいられますな!(笑)
二人のイラストとか描きたくてしょうがないですvV
うはーっvV
Re:おんなのこってたいへんなのね。
もちろん、カノンさんは忠犬ミロにメロメロですvvツンデレなので、表には出しませんけどね。
大人ミロはゴールデンレトリバー(主人に忠実と見せかけて、時々暴走)、仔ミロはポメラニアン(元気が有り余ってキャンキャン五月蠅い)って感じでしょうか。実際ポメラニアンミロの漫画を描いてらっしゃる方いますしね。
え?イラスト書いてくださるんですか!!!?ぜひぜひ描いてやってくださいサガの如く全裸でお待ちしてます(笑)
もちろん、ヒゲ様の体調が良い時に。お盆が過ぎて、少し涼しくなりましたが逆に体調を崩す人も増えましたので、お体にお気を付けください。
大人ミロはゴールデンレトリバー(主人に忠実と見せかけて、時々暴走)、仔ミロはポメラニアン(元気が有り余ってキャンキャン五月蠅い)って感じでしょうか。実際ポメラニアンミロの漫画を描いてらっしゃる方いますしね。
え?イラスト書いてくださるんですか!!!?ぜひぜひ描いてやってください
もちろん、ヒゲ様の体調が良い時に。お盆が過ぎて、少し涼しくなりましたが逆に体調を崩す人も増えましたので、お体にお気を付けください。